06
「もしかしてその顔面キャッチ、いつもわざとやってる?」
「そんなわけ、ないじゃん! ていうか、なんでいるの、パーティーは?」
「茜が行くなら行くし、茜が帰るなら俺も帰る」
「そんな子供みたいなこと言われても……三太いないと盛りあがらないじゃん」
「うるせ、うるせー」
再び会った三太は本当に小さい頃に戻ったみたいにわがままになっていた。けれども体はあの頃よりずっと大きくて、それがなんだか面白い対比になっていて私は思わず笑った。全然変わっていなくて、すっかり大きくなった、私たち。
「なんだよ、笑うなや」
「ごめんごめん。や、私今そっちに戻ろうと思ったんだよね」
「へ? なして?」
「サンタクロースはトナカイがいないと帰れないからね」
なにそれ、わけわかんね。
いや、そこはわかろうよ。
もしかして三太と、サンタとかけてるの? 茜、俺のトナカイなの?
そゆこと。
えーなしてなして、あ、仲居とトナカイもかけてる?
いやそこまで考えてなかった。
あ、そう? なんか俺らセットでナイスなクリスマスコンビじゃん。
なにそれー。
縦に並んで歩いた道を今度は横に並んで歩いた。
今日なら心から「勝負の冬」の休息日を楽しめると思う。今までのぶんもめいいっぱい楽しんで、明日からまた頑張ろう。
「茜、見て見て、また雪降ってきた」
「ほんとだ」
「ホワイトクリスマスじゃん」
「毎年これでもかーってくらいのホワイトだけどね」
ぎゃははって笑って二人並んだまま、鳥居をくぐった。
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